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Q1 ステロイド剤ってどう使えばいいの?

 多くの医師は、ステロイド外用剤は全身的な副作用はなく、正しい使い方をすれば何の問題もない。と言います。ではその「正しい使い方」とはいったいどんな使い方なのでしょうか。

2010.7.5
アトピーなんか飛んで行け!の会

☆は他ホームページへリンクされています。

 多くの皮膚科医は、ステロイド剤で症状を抑え、治まったらすぐに弱い薬に変えていき、非ステロイド剤に移行すれば良い。だらだらと使うから副作用が出るといいます。しかしこれは建前論にすぎません。
 だれも好き好んでステロイド剤を長期に使用する人はいないのです。
 使い出した時には、大変よく効くのですが、使用をやめるとまたすぐに症状が現れ、使わなければ耐えられないから、良くないと分かっていながら使い続けてしまう。
これが多くの患者さんの偽らざる本音ではないでしょうか。

 21世紀に入った頃は、ステロイドバッシングが激しく、一気にステロイド剤を絶つ「脱ステロイド」を勧める医師や、症状が酷くても強い薬を出したがらない医師が増え、それに耐えられずに「強い薬を出してくれる医師」をわざわざ求めて行く方も増えました。
 あるいは逆に、そうなるのを恐れて、ステロイド剤を一切拒否し、酷い症状に耐えている方もいました。
 その後この傾向に反する動きが強まり、ステロイド剤を安易に出す医療機関がまた増えて行ったように思います。

 そのため、未だにステロイド剤による被害を受けている患者さんは減らず、また急な脱ステロイドを試みて大変な思いをしている方もたくさんいるのが現状です。

ここで、ステロイド剤はいったいどういう働きをするのかを考えましょう。
ステロイド剤は根本的な原因を治す薬ではなく、「出ている症状を抑える」「対症療法」にすぎません。
ですからステロイド剤で症状を抑えることは、症状をますます悪化させ、治癒する機会を先延ばしにしていることに他なりません。それにも関らずステロイド剤を使わないでいられないのは、アトピーの治し方が分からないから ではないでしょうか。

たとえが適切ではないかもしれませんが、虫歯を例に考えてみましょう。
昔々、まだ虫歯の原因が分からなかった頃、人は薬草を噛んでその痛みに堪えたそうです。鎮痛作用のある薬草を噛めば痛みは和らぎます。しかし、虫歯が治ったわけではないので、しばらくすればまた痛みます。それを繰り返すうちに、虫歯はどんどん進行し、大きな穴が開くかもしれません。でもそれは「鎮痛剤のせい」ではないですね。
もし、鎮痛剤のせいでこうなったと思って鎮痛剤を一気にやめたりすると、耐えられない痛みが襲ってくるだけではないでしょうか。
今では虫歯の原因も治療法も分かっているので治療しますが、痛みがひどければ鎮痛剤を使うこともありますね。その時に「鎮痛剤を使うと虫歯が悪化する」などと思う人がいるでしょうか?
でも、たとえ虫歯の治療法が分かっても、それも根本的な改善にはなりません。甘いものの食べ過ぎをやめ、歯磨きをしっかりしなければ、また他の歯が虫歯になるのです。 そういう根本治療が一番重要ですね。

栄養のアンバランスからおこったアトピー性皮膚炎の場合、食生活を見直し、過剰な栄養素を控えていくと、しだいに湿疹がなくなり、ステロイド剤は、全く必要ないか、極くたまに使うだけで大丈夫になります。これがまさしく根本治療であり、対症療法薬(ステロイド剤)の上手な使い方ではないでしょうか。
ですから、ステロイド剤をむやみに怖がるのでは無く、有効な使い方をして下さい。

【ステロイド剤の使い方】

今までかなり使っていた人は、急にやめないこと。これが一番危険です。
今まで過剰だった脂肪が体内に押し込まれている場合、ステロイド剤を一気に断つと、この力がなくなるため、脂肪が一気に外に溢れだしてきます。これがいわゆる「リバウンド現象」だと思っています。皮膚、粘膜、目、耳などどこからでも溢れて出てくる事になります。
「リバウンド現象」を耐えたからと言って、アトピー性皮膚炎が治るわけではありません。なにも辛い思いをしなくてもアトピーは治ることをどうぞ認識してください。
リバウンドを起こしている人や重症の人は、弱めのステロイドで、酷い状態を改善した方が、本人が楽です。また、体の湿疹に急に強 い薬を使うと、脂肪が顔に集められ、顔の湿疹を悪化させる事がありますので、注意してください。
 まず、出ている湿疹をステロイド剤でコントロールしながら「原因」を除いて行き、(食事の改善)徐々に徐々にステロイド剤を減らしていか なければなりません。焦らないことです。
減らし方はいろいろ有りますが、塗る間隔を開けていく、ワセリンや他の保湿剤で少しづつ薄めていくなど、やりやすい方法を見つけて下さい。
気をつけて頂きたいことは、湿疹にステロイド剤を塗って、つるつるの肌 にしようとしないことです。最低限傷口をふさぐつもりで、必要な時だけ塗るのであれば、さほど怖がることはありません。
 軽症になったら、ステロイド剤にばかり頼らずに食事でコントロールできるようになって下さい。軽症の場合、ビタミンE やB群を含んだ軟膏が、痒み止めに効果が有る場合もあります。

ステロイド剤の正体は?

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