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アトピー性皮膚炎について
アトピーなんか飛んで行け!の会
谷 尾 敦 子

アトピー性皮膚炎 (以下アトピー)って、ほんとは何?
2010.7.4

 アトピーに関しては、情報の混乱や民間療法の乱立など様々な問題が ありますが、最大の問題は、20〜30年の間、皮膚科と小児科の間で全く違った考え方で意見が対立していた事ではないでしょうか。多くの患者達は、納得できる治療法が見つからず、様々な病院をさまよい歩き、病院によっては全く正反対の治療法をされて混乱し、それでもこれと言った効果がなく右往左往していました。

 この問題を収束すべく治療ガイドラインが出され、学会レベルでは一応コンセンサスができたようですが、診療の現場では未だにさまざまな療法が混在しており、肝心の患者たちはまだ納得できず、これらの治療法を渡り歩いている人が少なくありません。

 患者が切に求めているのは、いつ治るかも分からないままステロイド剤の使用をいつまでも強いられる「対症療法」ではなく、原因を把握して改善する「原因療法」なのです。

アトピーの原因の初期の通説と治療法
食べ物が原因
食べ物は無関係
根拠:
  • 患者の多くの血清IgE値が高い。
  • 実際に食べ物で症状が出る場合を診 ている。
  • 根拠:
  • 蛋白質はアミノ酸まで分解されてか ら吸収されるので、食べ物に対して抗原抗体反応が起きるのはおかしい。
  • 血 清IgE値が高いのと皮膚炎その他の症状は、必ずしも一致しない。(腸管の発達して いない乳幼児は、例外)
  • 血清IgE値を検査検査はしない、叉は参考程度
    検 査値が(+) 検査値が(-)叉は検査していない
    原因:
    食べ物・花粉 ・ダニなど
    原因:
    遺伝・体質など
    アレルゲンの除去ステロイド療法 ・漢方療法など

     アトピー治療の初期の大筋は、だいた い上の表のように表す事ができると思います。これらの治療法でほとんどの人が治るのであれば何 の問題もなかったのですが、治癒する人はこれらの一部分の人に過ぎませんでした。また、指示通りにステロイド剤を使用していても、皮膚炎がどんどん悪化してしまい、ステロイドが手放せなくなる人が非常に多かったのです。そのため、新たに様々な療法が生まれました。中には根拠の全く無いようなものや、副作用その他の問題を起こした物も少なくないと思います。

    その後出てきた療法と問題点
    治療厳格除去食食養生 ステロイド離脱療法
    主旨血清IgE値だけでは、アレルゲンは特定できないので、あ らゆる手段でアレルゲンを特定し、それを除けば治る。肉や脂肪分の多い 洋食が増えて、アトピー等が増えたのだから、昔の食事に戻せば、自然治癒力が高ま り治る。ステロイド剤が皮膚炎を重症化させているので、ステロイドを直 ちにやめて離脱すれば治る。
    問題アレルギー食品が 高い
    集団生活が困難になる
    食べられる物がなくなる。
    重症者は少 なくなるが、なぜ効果があるかはっきりしないため、治らない人や、悪化する人もい る。ステロイド剤を一気に断ったためのリバウンドで、湿疹が悪化し、社 会生活が出来にくくなる。

     治療者の多くは、自分の療法は大変有効であると思われていたようですが、私たち患者側からすると、さほど効果が無く、治療費が余りにも高かったり、一生治療が必要と言われたり、納得の行かない所がたくさん有りました。これらの疑問・不満に対する医師達の答えは、「言われた通りにしていない」 「努力が足りない」または「アトピーはすぐには 治らない」であり、納得の行く答えは返って来ません。それが「ドクター ショッピング」と言う現象を引き起こし、アトピー・アレルギーの治療を混乱させてきたのです。


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     上に表わしたように、医学界では、アトピー性疾患に食べ物が関与しているか、していないかという点で大きく意見が分かれていました。
     そしてその根拠として示される説明をみると、双方ともある面では理解できるし、 ある面では納得がいかないというのが私達の印象でした。

     私は重症化した娘のアトピー性皮膚炎を食事療法で治した経験から、アトピー性皮 膚炎には、食べ物が大きく係っていることを確信しました。
    しかし、うちの子の場合 、血液検査ではアレルゲンは特定できなかったため、どこの病院に行っても、「食べ 物は関係ないです。」と、言われました。
    「でも確かに出るんですよ。」と言うと、京都 T 病院のE 医師は、「5歳にもなった子が、食べ物で湿疹が出るとは考えられません。子供の顔をのぞき込んで、出るぞ出るぞと言ってたら、そりゃあでますよ。でもそれは精神的なものです。」とおっしゃいました。
    しかし、どこの世界に、子供 の湿疹が出るのを期待してのぞき込む母親がいるのでしょうか。
    確かに、消化される 筈の食べ物に対して抗体が出来き、アレルギーが起きるという考え方は、私も納得し ていたわけではありません。しかし、食べ物で湿疹が悪化する事がある事は、誰が何 と言おうと間違いない事実なのです。

     とは言うものの、世間では、「アレルゲン」と思われる物を除去しても症状がなか なか改善せず、次々と除去する物を増やされ、食べられる物が無くなって、絶望のあ まり自殺した人がいるとか、あるいは冷蔵庫に卵があるだけで湿疹が出る、「アレル ゲン」の入った物を焼いたオーブンを使ったパンを食べただけで、湿疹が悪化すると いうケースまであるとも言われ、そこまで来ると、余りにも極端すぎて、行き過ぎで はないのかと、思ってしまうのです。本当にそれほどまでに除去する必要があるのだ ろうか・・と。

     このような事を考えているうちに私は、医学界のこれらの論争には重要な部分が抜 けている事に気が付きました。つまりこれらには、アトピー性皮膚炎には食べ物が関 与しているかどうか=食べ物がアレルゲンになり得るかどうかという論点しかありま せん。つまり・・・アトピー性皮膚炎には食べ物が関与しているが、それは アレルゲンによる抗原抗体反応とは別の物であるという視点が完全に欠落 しているのです。
    つまり、特定の食べ物によって湿疹などの症状が出るのとは別に、 何か他の反応が有るのではないかという事です。こうして私は、食べ物の何が悪さを しているのかを探しだそうと考えました。
     私は、毎日の食事をすべて記録し、出る症状も注意深く観察しました。そうこうし ているうちに、魚と豆腐を同時に食べた日や、おかずを食べ過ぎたときに、湿疹が出 ることに気が付いたのです。そこで私が我が子達の症状や他の患者さん達の症状を診 させて頂いて考え出したのが、以下のモデルです。

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