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会員さんの声
(その10)

1999.10.3
アトピーなんか飛んで行け!の会

 神奈川県  Y.S.さん (98.6.12)
(息子さんがアトピー性皮膚炎/食事改善開始時10才)

こんにちは。神奈川のSと申します。
息子のアトピーが悪化して悩んでいた1年半ほど前に、コスモスネットで知った 谷尾さんの考え方に思うところあって、「とんでけ」に入会しました。

息子は生後まもなくアトピーではないか、と言われましたが、 たいしてひどくならずに幼児期を過ごしました。 ある大学病院の皮膚科に通ってはいましたが、ステロイドと非ステロイドの 塗薬をくれるだけでした。あまり塗方も指導されず。 でも、ひどくはなかったので、ステロイドもあまり使わず、 なんとなく乗り切ってきたのです。
大騒ぎする程でもなく、かといってすっきりスベスベにもならず、 「そういう体質」という程度で、ごまかしごまかし・・・ ヨモギやら、ドクダミやら、良さそうなものはいろいろ使いました。

幼児期にひどくなったのは、夏でした。
東京のマンションの最上階に住んでいたので、屋上の熱が部屋にも伝わり、 それはそれは暑い部屋でした。夜、冷房を入れても効かなかったのです。 ですから、夏はかきむしり、布団が血だらけになる毎日。 親も熟睡できず、とても辛い季節でした。
私の実家が、神奈川県西部の田舎にありましたので、夏はできるだけ そこに逃げ込んで暮らしました。
田舎では、夏でも夜、窓を開けて寝れば、冷房も不要で、空気もべとついていません。 昼間は涼しい河原で遊べます。この避暑は親子共にとても良いものでした。

息子が幼稚園の年長になるときに、思い切って田舎へ転居しました。 田舎といっても東名が通っていて、空気の汚れがないとは言えませんが、 子供にとっては、そういう数値的なことよりも、総合的な環境が大きいと思います。 東京時代は外遊びが少なくて、性格も内向性が強かったのですが、 田舎へ来て、ガラリと変わりました。
毎日暗くなるまで外で遊び、友達もとても多くなり、 何にでも積極的になって、のびのびし始めました。

そんななかでアトピーも少しずつ良くなる、かのように思っていました。 たしかに夏の悪化はなくなりました。
でも、根本的には治ってなかったのです。
それどころか、小学校4年の春先から、すこしずつ悪化し始め、 針治療や漢方医などにかかりましたが、芳ばしくなく、 とうとうその晩秋から冬には、それまでなかったほど、ひどくなりました。

小4の冬休みあけには、掻いたあとから黄色い汁がにじみ出て、 それが乾くと、こべこべに固まって、動こうとすると それがはがれるので、とても痛がります。
でも仕方なく歩いたりすると、そのはがれた所からまた黄色い汁が出て、 という繰り返しです。

1月末には、息子の口から「おかあさん、僕もう、なんにもできないよ」と ギブアップの言葉が出ました。
以前から、気になって、情報は仕入れていたものの、遠いので 二の足を踏んでいた、東北の「Hクリニック」という病院へ電話をし、 その週あけに、行くことに決めました。
それと同時に谷尾さんにもお電話をして、「とんでけ」に入ることにしました。

「Hクリニック」へ行くときは、入院覚悟でリュックを背負って出かけましたが、 丁寧に話しを聞いて下さった先生は、
「入院は最後の手段と考えたほうがいい。入院で治っても、自宅で コントロールできなければ、元のもくあみ。」と言って、 漢方の煎じ薬と、塗薬、かゆみ止めの飲み薬をくれました。 塗薬はワセリンと亜鉛軟膏とステロイドです。 でも、ステロイドは「週2日まで」という制限を絶対に守るように 言われました。(こういう指導を受けたのは初めてでした)

それと、食事指導も、かなり具体的に言ってくれました。 運動もすすめられました。でも、外遊びでのびのびやっていると言ったら、 無理してクラブのような所で、厳しい練習をさせることはないとのことでした。 (ストレスになったら逆効果)
大雪の日だったので、珍しくすいていたからか、けっこう話せました。 (それまでかかった病院は、どこも、そっけなかったので)

食事指導は、さすがにレシピまでは無かったものの、 かなり具体的でした。ポイントをあげてみますと、

1、フライパン料理はやめましょう(油は毒)(月2回が限度)
2、白砂糖は諸悪の根源
3、清涼飲料水、缶コーヒーは毒の王様です。
4、足で歩く動物製品を使った料理は、控えましょう(週2回くらい)
  現代は蛋白質の取りすぎです。

5、酢の物、梅干しを積極的に取り、塩分は控えすぎないように。(天然塩を利用)
6、食事はごはんを6、おかずを4の割合で。
7、果物は食後だけにしましょう。

8、野菜は温野菜にしたほうがよい。(量もとれる)

帰りの電車で、「まるで精進料理みたいだなあ」と思ったことを覚えています。 と、同時に、息子が小3くらいから、お肉が大好きになって、 特に好物は唐揚げだったと、思い出していました。 そして、まさにフライパン料理こそ私の得意料理だったことも。

確かにこんなにちゃんと食事について話しをしてくれた病院は初めてでしたが 、
それでも、途方にくれました。いったいどんな料理を作ればいいの?って。

「とんでけ」に入って、細かい目安とか、レシピを教えてもらったことが、 どれだけ心強かったか。
それから、自分でも、谷尾さんから教えてもらった参考文献を読んだりして 少しは勉強もしました。
「とんでけ」は、私にとって、他力本願ですがる場所というのではなくて、 自分が治すんだ、という気持ちで頑張るときの、支えのような場所です。

さて、その後、漢方の煎じ薬は苦かったけど、息子は頑張って飲みました。 すると、3日もしないうちに、効き目がわかりました。 翌週、ステロイドを使って良い日になっても もう、ステロイドを使うべき場所が、なくなっていました。

察するに、食事をコントロールしていると、煎じ薬が良く効くのではないでしょうか。 漢方は効き目が遅いというのは、嘘です。
合っていれば、わりと早くわかります。
ある程度飲んでも効き目が無ければ、煎じる配合を変えてもらうべきです。

あれから1年半ですが、まだ完治とは言えません。 一度、かなりきれいになり、完治に近い状態になったのですが、 喉元過ぎれば暑さ忘れるという通り、食事をちょっと怠けているからだと思います。 また、気候による変化は多少あります。
でも、息子も自分でわかってきているので、悪化の兆しが出てくると、 自分で反省して気を付けたりしています。
だから、一時期の最悪の状態にはなりません。 まだ、時々掻いていますが、今はちゃんと爪も伸びるようになったのです。 (以前は爪きりが不要なくらい、掻いていたので爪が伸びなかった)

また、先日気がついたことですが、合成洗剤も息子には 悪さをしていたのです。
クラブ生協の粉石鹸を使って洗濯していたのに、 ちょっと切らしてしまって、もらいものの合成洗剤で洗ったら、 2、3日後から息子の肌が悪化し始めたのです。 最初は気節の変わり目だからかな、と思っていたのですが、 「ひょっとして、洗剤?」と疑って、あわてて石鹸を買ってきて 翌日から合成洗剤をやめたら、また2、3日後には 回復しました。てきめんでした。

漢方は時々電話相談をして、配合を変えてもらいます。 本当は、頻繁に通院できれば良いのですが、そうもいきません。 近くに信頼できる病院があって、自分でも食事や日常生活を律することが できたら、理想ですね。

もうすぐ息子は修学旅行です。
だんだんと、自分でコントロールできるようになれば、と思っています。 今は「何をやっても楽しい」と本人が言うくらい、 唯一の悩みのアトピーも楽になって、毎日のびのび生きていますが、 これから微妙な年代に入って行くことですし、 いろんなストレスも避けられなくなってくるでしょう。 自立の過程でアトピーとうまく付き合って行けるようにと (できればバイバイしたいけど)願う今日この頃です。


(99.2.13)
その後、息子のアトピーは落ち着いています。
時々カサカサやプツプツが少し出ることはありますが、 2〜3年前のようなひどい状態にはなりません。
食べ物もふだんはあまり厳しくしてません。 ただ、肉の取りすぎにならないように、くらいです。
牛乳も給食以外にも、家で時々飲むようになっています。 でも、ちょっと出たときには、そういうものをストップ。 とにかく、蛋白質信仰から覚めているので、食事の根本が以前とは違うわけです。 おかずよりもごはん優先にして、おなか空いていないときは無理に食べなくていいよ 、と言います。
本人も春から中学なので、自覚がかなりできてきています。 この調子で、何も塗らないで過ごせるようになれば、と思います。 (今も、ほとんど、普通の人のスキンケア程度になっていますが)
でも、秋と冬に一回ずつ、ぜんそくの発作がありました。 やっぱり、体質としては、まだまだのようですね。 風邪の細菌や刺激物が直接の引き金になったようですが、 ということは、気管支の粘膜がもろい状態なのでしょうね。
やはり、食生活をもう少し厳しくチェックした方がいいのかな?

Y.Sさんからのお便り(97.5.20)も参考にして下さい。  


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