【ホームページ/ Q&AページTopへ】

Q4 湿疹の滲出液についてもう少し説明して下さい。

滲出液の黄色い色(いわゆる黄汁)が、植物油由来の色という事についてもう少し説明して下さい。  

2001.11.16
アトピーなんか飛んで行け!の会

まず滲出液について説明します。
 滲出液とは、炎症により局所の血管透過性が亢進し、毛細血管から皮膚の中ににじみ出た血漿成分からなる液の事です。皮膚組織内に存在するときは組織間液と呼ばれ,キズがあればそこから外へにじみ出します.普通はリンパ管に流れ込みますのでリンパ液とも呼ばれます.
この血漿は水分の他たんぱく質、糖質、脂質、無機塩類、代謝物質を含み、本来は淡黄色透明の液体です。

 ですから、普通の人が怪我などをした場合は、淡黄色透明の滲出液が出ると思います。しかし、アトピー性皮膚炎患者さんの一部には、この液がかなり黄色の強い場合があります。この場合にも、植物油の摂取を控えた食事を続けると、この黄色が薄くなり、次第に湿疹も乾いて行くことを何人もの会員さんから報告を受けています。
 従って、湿疹から滴り落ちる“黄色い汁の 色”は<油由来の色>であり、滲出液中の黄色い脂質が多かったのではないかと考えています。因みに、うちの会に入られると、野菜の摂取量は逆に増えますので、βカロチンが多かったとは思えません。この黄色い汁のついた洗濯物を洗ってみると、「油」のように洗濯しても落ちにくい事を多くの会員さんが証言されています。

 ところで、高脂血症の患者さんでは、血液中に脂質が多く、血液を遠心分離した時に、上部の層が白く濁って見えたりすることが分かっています。(中性脂肪(成人病を防ぐ食事と知識)森瀬春樹著 高橋書店参照)
(この白い色は動物性脂肪由来の飽和脂肪酸を含む中性脂肪の色でしょう。室温で液状の「油」はβカロチンなどを含むため黄色ですので植物油由来の不飽和脂肪酸を含む中性脂肪の場合は黄色くなると思われます。固体の「脂」は白いですね。これはサラダ油と牛肉の脂肪を思い出してもらえば分かると思います)

 因みに、動物性脂肪過剰タイプの患者さんの場合は、同じ滲出液でも色が薄い場合を多く経験します。脱ステロイドによるリバウンド時には、黄汁の出ている人の方が、出ていない人(動物性脂肪タイプ)に比べると肌の乾燥が少ないようです。動物性脂肪タイプの人には、多めに植物油を摂ったほうがいいとアドバイスしています。 因みに、アトピー性皮膚炎患者の皮膚では、角質細胞間脂質の一つの「セラミド」が不足している場合が多いと言われていますが、このセラミドはリノール酸から作られるそうです。(最新栄養化学 野口忠他著 朝倉書店 参照)
 ただし、この滲出液を検査した事はまだありませんので、断定は出来ません。今後アトピー性皮膚炎患者さんの、黄色い汁が滴っているタイプの方の滲出液を分析する機会がありましたら、調べてみたいと思います。そのような情報がありましたら、是非お知らせ下さい。

 

【このページのトップ/ Q&AページTopへメニュー】へ戻る

ホームページへ戻る

All Copyright Reserved by Atopy Nanka Tondeike no Kai,1997